家族ごっこ
キーンコーンと鳴った鐘とともに、
「うがぁああああっ!!」
私の怒りはピークになり、叫んだ。
授業終わったし叫んでいいんだもんね。
「なんだなんだ?」
隣の席の宏一くんが、不思議そうに見つめてきた。
「ご存じの通り、うちの犬はキチガイだから」「なるほど、大変な柴犬をお飼いで」「苦労するよ本当に」などとゆるやかに会話を進めてる最中にもかかってくる、畜生、苦労するってなんだ苦労するって。
「誰ぞねっ」
と勢いよく電話に出、
「こちとら授業中じゃい!」
怒った。