家族ごっこ

『ひぃいいっ』


びっくりしたらしい向こうのお方。

やわな男の声だ。


『す、すみま…すみませんんんっ』


なんか超謝られた。

「誰ですかね?」

それにしても、聞き覚えのない声だ。

『あ!私は、楷と申します!』

「楷…さん?」

知らない人。

『はいっ!えっと、司馬羽故さんの電話でよろしいですかね?』

「はあ…いかにも私は司馬羽故です…」

『このたびはご応募ありがとうございます!
こちら、make believe です。

ご当選おめでとうございます』

make believe?
なんだっけなーっと思考に4秒費やして。


「うっそぉおおお!?」

叫んだ。
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