家族ごっこ

「……見ないの？」


「はひ？」

いきなり疑問文(？)をぶつけられたため、戸惑う私。

「…それ。鳴ってる」

「あっ」

野田が指差す携帯のバイヴ機能がフル活動してるのに気づかなかった。

「メール…あれ？」

知らないアドレスが表示され、訝しげにメールを開く。

【件名;先ほどは失礼しました、楷です】

「ふんなっ!!」

思わず携帯を放り投げそうになった。

「楷さん!?」

まさに噂をすれば。

てかなんで私のメアドを知ってるんだ!?

あ、エントリーシートに書いたからか。


「make believeの？」

「そう」

「なんだって？」


【下記の日時に、司馬様のご自宅に伺わせていただきますので、荷物を持ってお待ちください。
なお、アルバイトの内容及び会場は、当日車内にて説明いたします】