家族ごっこ

◇◇◇



さてさて。


来る三日後こと、土曜日です。


「受かってよかったねぇ」

ママが荷造りする私を細めた目で見つめる。

「机とかはママの実家においておくね。
家決まったらそっちに持ってくから」

「ん、わかった」

きゅるきゅるとスーツケースのジッパーを閉める。

中学時代に修学旅行の際に買ったもので、かなり大きい。

中には服や服、服などが詰まってる。

…や、女子高生だし。


「にしてもすっごい服の量ねぇ？
いい女は荷物が少ないってゆーのに」

「うっさいっ！そんなのお洒落しない干物女子のいう戯れ言じゃぁ！」


しかも荷物はこれだけじゃない。

もうひとつボストンバックがあり、そこには本や教科書、ぬいぐるみさんがいる。

「教科書とか普通スーツケースに入れるでしょ」

「服の方が大事です」