家族ごっこ
ドアを開けてくれたのは、小さな女の子だった。
クリクリの無垢な瞳に、ツインテール。
ちっちゃなお手てをドアに開けるのに用いた、小学校中学年くらいの子。
「わあ!女の子だ!」
きゃーっとその子は一人で盛り上がった。
「えっと…」
「中!入って!めいくびりーぶの家族でしょ?」
うんしょ、と荷物を持ちながら、女の子につられて部屋に入る。
靴は三足あった。
「……」
一足はこの子ので、他の二足は明らかに男物。
「(男が住むのか…)」
しかも、絶対大きいぞこれ。
子供じゃないのはまるわかりだ。