家族ごっこ
◇◇◇
「いやあーっ!まさか同じ高校のやつが来るとはよぉっ」
Tシャツを着てきた賀川弦が、がっはっはと豪快に笑う。
ちなみに季節は冬なので、Tシャツだけで寒くないのか不思議だ。
「賀川くんはなんで応募したの?」
そんなにない荷物を、女子部屋にまとめ終えた私は、やることもないのでリビングの机に座っておしゃべり。
家具とかはついているからよかった。
女子部屋にタンスは二つあり、詩乃の荷物はもう入ってた。
「俺?小遣い稼ぎ?」
「なるほどなるほど」
納得のいく理由である。
「お姉ちゃんは?なんで来たの?」
「私は…」
詩乃に問われ、困った。
離婚の話をするべきかな…