家族ごっこ

「呼んでみ?」

「お、兄…ちゃん」

「よしよし」

頭を撫でるな頭を。

今まで全く接点がなかったから、対応に困る。

「ってか遅ぇなー」

「なにが?」


「最後の一人」


しゃらっと今まで聞いてなかったことを言う。


「最後の一人?」

「どうやらタンスは人数分らしくてよぉ、男子部屋に三つあるんだ」

智輝とお兄ちゃんのぶんで二つ。確かに三つは多い。

「女子は二つだった!」

「もう詩乃に聞いた」

早いな…

「だからさー、あと一人来るはずなんだよ。それも男」

「イケメンを希望します!」

「俺に言うな楷さんに聞けぇっ」

あ、皆楷さんに連れてこられたのか。

なるほどなるほど。

じゃあ楷さんは、今ごろシックスマンならぬファイブマンを連れてきてるわけだ。

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