家族ごっこ

そして、その場にいた全員が息を飲んだのだ。

「…っ」


お人形みたいな子。


亜麻色のさらさらの髪の毛に、女の私が嫉妬したくなるほど真っ白な肌。

肉厚の薄い唇なのに、とても映えるピンク色。

くりっくりのお目目は、冷たい漆黒だ。



テレビでみる子供タレントなんかよりよっほど綺麗な子だった。


「かっわぃいいいいいいいっ」


叫んだのはもちろん私。

何この子、食べちゃいたいぞっ!

ムカつくくらい可愛い!


あぁその柔らかな髪を撫でまわして、「やめてよぉ」とか言わせたいっ……


「…手をウズウズさせんなキモい」


お兄ちゃんの声なんか知らない。
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