家族ごっこ
「えと…?」
楷さんがおどおどと食卓に座る私たちを見つめる。
私の隣は詩乃。
向かいには冬麻にお兄ちゃんに智輝。
話があるそうなので、強制的に座らせられたわけだ。
「make believeのルールをせつめいしますね」
黒革の鞄から人数ぴったりの紙を取りだし、机の上に一人ずつ置いていく。
【make believeの方針】やら【ルール】やら【プロジェクトスタッフ】などの項目に細かい字が鎮座した紙。
これは平仮名ないんだ、と思ったら、隣の詩乃のは【方針(ほうしん)】となっていた。
子供用と別々なのか。