家族ごっこ

「えと…?」

楷さんがおどおどと食卓に座る私たちを見つめる。

私の隣は詩乃。

向かいには冬麻にお兄ちゃんに智輝。


話があるそうなので、強制的に座らせられたわけだ。


「make believeのルールをせつめいしますね」


黒革の鞄から人数ぴったりの紙を取りだし、机の上に一人ずつ置いていく。

【make believeの方針】やら【ルール】やら【プロジェクトスタッフ】などの項目に細かい字が鎮座した紙。


これは平仮名ないんだ、と思ったら、隣の詩乃のは【方針(ほうしん)】となっていた。

子供用と別々なのか。
< 43 / 46 >

この作品をシェア

pagetop