家族ごっこ

◇◇◇


それから一週間後。


離婚したものの早々に出なくちゃいけないわけではなく、まだ家を出なくていい期間を堪能していた。

家の素晴らしさがしみじみと伝わってきて、台所の床とかを無意識に撫でてる自分がいた。


まあそんなことはさておき。


いつもどおり高校へ行き、五時間目という魔の授業の眠さを堪えてたら、電話があった。

こっくりこっくり船を漕いでたら、ぶるぶると携帯のバイヴが震える。

「んぐっ!?」


いきなり現に戻されたから、変な声を出して起きる。

なんだばさ…とディスプレイを見ると、非通知。


「……」


知らない番号。

しかも授業中。


怖くて切ってしまった。えいっ。

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