比翼 ー Beloved person ー
ちょっと寂しそうに体温計を看護師に渡す、
七瀬るうり 18歳 高校3年生
「そんな寂しそうな顔しないの!
その顔、 蓮くん に見られたら何言われるか知らないよ?
てか、私が怒られるじゃない。
............ん、熱は無いみたいね。退院できると思うよ。
って、七瀬さん?」
不思議そうな表情で言った看護師
牧野ミサキ 23歳
るうりとは、幼馴染でもあり喧嘩仲間でもある。
だが、結婚して、旧姓の吉岡から牧野に変わってからは喧嘩はやめたが、美鈴(みすず) という通り名で結構有名だった。
蓮の名前を出した途端に、表情が曇ったるうりに気づいたんだろう。
「......退院だぁ。
やっと外に出られる。
...........あ、そういえばミサキぃ
私、もう蓮とは付き合ってない。」
私は、生まれつき体が弱い。
つか、原因不明の病気だww
急に高熱が出て下がらなかったり、吐血してみたり、痙攣してみたり...........などまぁ、色々だww
今回は、どっかが炎症起こしてて、まぁキツかったw←どっかってどこだよ!w
そして、私が体が弱い所為とは思わないようにしてるけど、蓮はある日突然、別れようっていう手紙を置いて姿を消した。
「え、付き合ってないって...なんで?」
「あぁーそんな暗い顔しないでよ、
ミサキ。なんかね、別れようって言う置き手紙残して、姿を消したの」
笑いながら言うるうり。
「るうり。無理に笑わないでよ。
てか、置き手紙ってなに?
るうりは、置き手紙なんかで
別れてもいいの?
そんだけの気持ちだったわけ?
そんな軽い気持ちだったの?
だとしたら、るうりさいてi「んなわけねぇだろ。本気だったよ。
本気だったからこんなに辛いんじゃん!
でもさ、いきなり別れようって置き手紙置いて姿を消すくらいだよ?!
それくらい私の事が嫌いになったんだよ!!
現に、探しても探しても見つかんない!!!」
「...ごめん。るうり。
そうだよね、本気に決まってるじゃんね
私が悪かった。だからもう泣かないで?」
「いや、こっちも感情的になってごめん。」
パンっ
いきなり手を叩いたミサキ。
「ま!退院したからと言って無理しちゃダメよ!
................喧嘩もほどほどにね(ボソっ」
話をそらしてくれた、ミサキのその優しさが、少しだけ痛かった。