不良くんと鈴の音




「黙れよ」

「はま……!」



少し離れて浜寺くんは

私を冷たく見下ろし
キスをした。



私の背中にあたる壁は硬くて痛い

私の肩を押さえる浜寺くんの手が痛い


でも、何より痛いのは
浜寺くんが…


「はぁ….はぁ……」

「……そんな目しないでよ」






冷たく悲しい目をしてること。




「は?……」

「こんなとこ見たって、先生が
旦那さんと別れるわ……浜寺く!」





私と一切目を合わせずに
冷たい何の意味も持たない


キスをする




浜寺くん….…

好きだよ…



「キスされたくらいで泣いてんなよ…
何、ファーストキス?」

「………そうだよ。
けどそんなんで泣いてない。
こんなのカウントしない……」



人と付き合った事すらない私には
不倫してる辛さとかわかんないけど

浜寺くんが苦しいのは
分かったから

私は、



全部受け止めたい。






< 19 / 34 >

この作品をシェア

pagetop