不良くんと鈴の音
「白萩さん?」
「……気分がすぐれないので
保健室に行ってきます」
「ちょ、白萩さん!?」
私は教室を飛び出した。
クラス中がざわめいて、
先生と佳と
由奈の私を呼ぶ声が聞こえた。
耐えられなくなると
逃げ出すのは
よくないんだろうけど…
今は、これ以上あの場で
冷静にいられる自信がなかった。
浜寺くんも立場が悪くなるような
ことを言ってしまいそうで…
「はぁ…」
理科棟の屋上で座り込む。
何か夢中で走って来ちゃったけど…
先生とか探してるかなー
あーやだやだ。
まあ、いいや。
しばらく、ここにいよう。
バックヤードで小さい日陰が
出来ていたのでそこに、
もたれて眠ろうと目を閉じた。