不良くんと鈴の音




「もう話かけちゃいなよ〜」

「いや、でも…………そっか」


何を悩んでたんだろう。

気になって仕方ないなら
聞きたい事があるなら

話をすればいいんだ。


「え?」

「助言ありがと!行ってくる!」


「え、え、え?ちょー!!」





「………やっぱ、変わってるわ…」




四時間目は授業うけてるのかな?

やっぱ不良くんだしサボってるかな?

まだ中庭かな?
やっぱり不良くんだし屋上?

まあ、いいや
とりあえず屋上行ってみよう。


「…チリン」


四階に続く階段を登ろうとすると
鈴の音が聞こえた。

理科棟に続く渡り廊下
その奥。つまり理解棟から。


音が聞こえる方を見つめても
誰もいない。

四時間目理科棟を使う
クラスいないのかな


「チリンチリン」


気にせず階段を上がろうとすると
今度は2回なった。


まるで猫が歩くとなる鈴のような

その音よりもでかいはずの
チャイムの音は
そよ風が耳の横を通ったかのようで

気付いたら私は理科棟に
歩みを進めていた。





鈴の音に導かれて










< 3 / 34 >

この作品をシェア

pagetop