不良くんと鈴の音
鈴の音に耳を澄まして
音を辿ると
理科棟東側、渡り廊下とは反対側の
屋上に向かっていた。
でも次でドアの前のはず
私は一度深呼吸をしてから
勢いよく角を曲がった。
でもそこには誰もいなくて
屋上のドアが少しだけ開いていた。
「ここ、鍵ないんだ………」
入ったら今度こそ…
日陰で少しひやっとするドアノブを
少しの緊張からか強く握る
また深呼吸してから
ひねる必要のないドアノブを
ひねり、軽く押す。
太陽の眩しい光に目を細めて
屋上を見渡す
あれ、誰もいな…
「やっぱり、ついてきた」
「え?」