壁の向こうに

2話

私の病気は体があまり成長しない。
この国にはよくある現象で、幼児を演じ隠れている人場合も多い。
原因不明の病のため、研究室に送られ実験台にされるからだ。
実際私がいるのはこの国最大規模の病院の研究棟なのだから。
アキ先生は研究棟の主任らしく、看護師さんたちからすごく尊敬されている、らしい。
空を見上げ、考え事をしているとドアが再び勢い良く開いた。
またアキ先生かと振り返ると違った。
先生よりちょっと低い身長の男性、何処か優しさのある不陰気だ。
「お見舞いに来たぞ。」
「お父さん!」
なんて嬉しいことなのでしょう!
数週間ぶりにお父さんが来てくれた。
「もう、なんでずっとこなかったんですか⁉︎」
「まあまあ、そのお詫びってか何だが。」
手に下げていたカバンからピンクの舗装された小さな箱を取り出した。
ま、まさかの。
「プレゼントだ。」
ふぉおおおおおおおおお!!
「もう少しで誕生日だったよね、おめでとうー。」
っ。
お父さんが言ってくれるとは思わなかった一言だ。
「じゃあそろそろ行かないと。」
どうやら今日はもう限界のようだ。
「プレゼントの中身は」

「誕生日当日までみちゃだめだよ?」

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