偽りの愛に溺れる。
「今日は帰ります。あと、しばらくそういう事はできません。」
「えっ…」
「じゃあお先に失礼します!」
私は逃げるように走った。
「ちょっと、おい!」
隆志さんが追いかける。
男の人に勝てるわけもなく、すぐに追いつかれて、ぎゅっと手を掴んで引き止められた。
「どういう意味だよ、それ。ていうか急に逃げなくたっていいだろ、俺なんかしたか?」
「そうじゃないよ、隆志さんのせいじゃないよ」
感情的になってしまって、敬語なんて話せない。
「隆志さんは私のことまだ好きじゃないから、エッチしたってそんなのセフレの時と変わらないよ! 私は気持ちの方が大事なの!」