偽りの愛に溺れる。
第二章 琴菜・隆志side
side隆志
琴菜はそう言って急いで帰った。
俺は引き留めず、電車に乗って家に帰った。
だって琴菜を好きではないことは事実で、否定する言葉なんて見つからなくて。
なんであんなこと、聞いてしまったんだろう。
今日は普通に帰ろうと言えば良かったのに、いつもの癖でつい、泊まる?とか言って琴菜を傷つけてしまった俺は、本当に馬鹿だ。
「琴菜…ごめんな」
俺は呟いた。
琴菜に謝りに行こう。
俺は椅子から立ち上がり、琴菜の家に向かった。