偽りの愛に溺れる。
隆志さんのベッドルームに戻ってくると、
「ねえ、添い寝してよ」
「ええっ!? なんで…」
「いいからー」
隆志さんが私の腕を引っ張る。
仕方なく隆志さんの隣に寝転がった。
すると、隆志さんが私の背中に手をかけて、私を抱き寄せてくる。
どうしよう、隆志さんの顔が見れない。
「琴菜、こっち見てよ」
自分の顔が赤くなっているのが自分でもわかるぐらい、恥ずかしい。
ゆっくりと顔をあげた。
すると、キスをされた。
「っ!?」
思わず顔を離して、ベッドから出る。
「なんだよ、キスしただけなのに」
「しただけって…。早く薬飲んで下さい、熱上がりますよ」
「はいはい」
隆志さんはドラッグストアの袋の中から薬を取り出して、私が買ってきた天然水でそれを飲んだ。