偽りの愛に溺れる。
side隆志
目が覚めると、六時になっていた。
俺、確か薬飲んだの二時ぐらいだったから…四時間ぐらい寝ていたのか。なんか二時より体が楽だ、熱が少し下がったのかもしれない。
辺りを見ると、琴菜がカーペットの上で寝ている。
よく見ると目の周りが赤くなっている。
「もしかして俺、なんかしたっけ?」
四時間前の記憶を遡ってみる。
「えーっと、確か琴菜に冷えピタを貼ってもらって、その後どうしたっけ、……あっ!」
俺はあの時、琴菜にキスをした。