偽りの愛に溺れる。
大学が終わってから、私は校門へ向かって歩いていた。
すると、奏大が声をかけてきた。
「今帰り?一緒に帰ってもいい?」
「うん、いいよ…って隆志さん!?」
校門のところに隆志さんが立っていた。
すごく怒った顔をしている。
ていうかなんで大学まで来てるの!?
「琴菜、ちょっと来い」
私の手を引っ張って、早歩きを止めてくれない。そのまま私は狭い人目のつかない道に連れていかれた。
「仕事が休みだったから琴菜が大学が終わったら一緒にデートしようと思ってたら…なんで男と一緒にいるんだよ」
「ごめんなさい…ただの友達です」
「それでもムカつく。無防備すぎ」
隆志さんが私をぎゅっと抱きしめる。
確かに無防備だったかな。
「いいよ、俺が他の男のことなんか考えられなくしてやるよ」
そう言って私の唇にキスをした。