偽りの愛に溺れる。
隆志さんはキスを何回も繰り返す。
離れても、また近づける。
「…それでさー」
知らない人が喋っている声が聞こえた。
隆志さんもさすがにキスをやめた。
でも、まだ物足りなさそうな感じをしている。
「邪魔が入ったな…。これで終わりと思うなよ?次はホテルだからな」
「ほっ…ホテル!!?」
「嫌なの?」
まだ付き合って一ヶ月も経ってないのにホテルなんて行くものなの!?
私が困った顔をしていると、
「冗談だよ」
と笑って言われてしまった。
「もう、からかわないで!」
「ごめんごめん、じゃあ俺の家ならいい?」
「隆志さんの…家?いいんですか?」
「ああ…琴菜なら全然構わないけど」
“琴菜なら”
その言葉がすごく嬉しい。私のこと本当に彼女扱いしてくれてるんだなあ…。
ついにやけてしまう。
「是非、行きたいです」