偽りの愛に溺れる。

第四章 隆志side

複雑な気持ち

朝。
琴菜が俺の隣ですやすや寝息を立てていた。　
寝てる姿はこれまでも見ているのに、今までの何倍も可愛く見えてしまう。

「…むにゃ…」
突然、琴菜が寝言を言った。
なんだよむにゃって。可愛いな。
でも、そろそろ起こさないといけない。
「琴菜、起きてー」

「ん…？」

琴菜が半目でぼーっと俺の方を見た。
「あれ？　隆志さんがなんでここに…？
しかも、裸…？」

完全に寝ぼけてるな。
「昨日の事忘れたの？」

「あっ…！！」
琴菜の顔が見る見る真っ赤になり、琴菜は俺の布団にもぐった。

「着替えたらリビング来いよ。パン焼いとくから」

「はい…」