偽りの愛に溺れる。

俺は阿久津さんと近くのお洒落なパスタの店に行った。

「あのね、実は水戸君に相談したいことがあって」

「相談?」

「うん。私の彼氏のことなんだけど、最近うまく行ってないの。
彼氏の独占が酷くてさ、やめてって言ったら喧嘩になっちゃって。水戸君も彼女いるんだよね。やっぱ男ってそういうもんなの?」

なるほど、それで男目線の意見が聞きたいということか。

「うーん、人にもよるだろうけど、俺は独占欲強い方かな。男と話してるの見ただけで妬けるし…」

「そっかー強いのか…。彼女は嫌がってないの?」

「えっと…多分嫌がってないと思う…」

聞いたことないから分からないけど、俺の前で嫌がった素振りは見せていない。

そんな感じで阿久津さんの話につきあわされて、俺の昼休憩はあっという間に終わった。
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