復鬼【短編】

自害


「貴方まで!死ぬことはない!!」




「かぁさん、けじめはつけるよ。もう一方だけ消えて俺が生き残るなんてそんな選択始めから俺には無いから。...これはかぁさんが悪いんじゃなくて俺達が一緒に産まれてきたからいけないんだ。
だから。かぁさんには迷惑をかけたくない。
疑ってごめん。


それと........。








俺達二人を産んでくれて.....ありがとう」










見えない刃が心臓を突き刺したと同時に身体が傾き冷たい石に叩きつけられる。
ソレが倒れた後には湧き出るほどの血がソレの身体からにじみでていた。



空は急に曇りだしソレと母親を濡らしていく。





"痛い。...かぁさんは最後までお前の見方なんだな。鬼はしょせん鬼。愛なんてものは存在しない"





「それは違う。ほら。」




自身の意識が遠のいて、徐々に自分の身体が冷たくなっていく。


それを必死で血だまりの中、二人の名前を呼び泣き叫ぶ母親の姿がぼんやりと浮かぶ。



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