復鬼【短編】
2話・混潤スル御霊・End

峠を越え、先ほどまで暗かった空も次第に明るくなり。御天道様が道を照らしだす。


しばらく歩くと「彩鳥町」と云う看板が眼に付いた。

手前の門をくぐり、町へと足を踏み入れる。
初めて町にきてソレが思ったことは。

ヒトが多い事。

物静かな村とは違い賑やかなこと。



こんな町に。



ソレ自身をその腹から産み落とし、育児始めるも次第に男に付き。

結果自身を捨てた憎き母親がのうのうと暮らして居ると思えば早々に見つけて始末をしたいところだが。


ソレには母親に聞きたい事があった。



それはなぜ自分より、男と生きることを選んだのか。
自分を残してまで行かなければならなかったのか。


それを母親の口から聞きたかったのだ。




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