鈍感な2人
相沢君モテる
それからと言うもの、担任は何かと仕事を押し付けて来る。
「先生…それは日直の仕事では…。」
プリント回収は日直の仕事である。
尚且つ、そのプリントを職員室に持って行くのも日直の仕事である。
「相沢と金森でした方が早いから。」
それは先生の怠慢と言うものではなかろうか…。
相沢君が、教卓に行って一声かける。
「早くプリント出せ。」
その人声で女子は皆プリントを出す。
男子も相沢君の視線にやられてそそくさと出す。
「流石だねぇ。相沢君。君の一声ですべてがすぐに終わりそうだよ。」
「こう言う時は、有無を言わさぬオーラを発するのが一番妥当と判断する。」
「うむ。まさしくその通りだな‼︎」
私たちの会話はいつもこんなやりとりばかり。
高校生の男子女子が会話するやわい感覚など毛頭ない。