鈍感な2人
生まれて初めて男子に手を引かれて歩いている。
ひと気の少ない、教室から死角のところに来ると、高野君はやっと手を離してくれた。
「アズミ、俺、マジでお前のこと好きなんだよ…。誰にも渡したくないんだ。相沢と手なんかつなぐなよ…。始まりの理由はどうであれ、やっと俺のそばにアズミをおいとけるようになったのに、離れてくなよ。」
何て悲壮な顔なんだろう。
「高野君。私は高野君の事嫌いではないよ。しかし、周りの意見のように、ドキドキとすることがないんだ。」
「アズミ…俺から離れないでくれよ……」
高野君が私に抱きつく。