鈍感な2人
検証〜キス〜
高野君はその勢いで顔を近づけて来た。
意味が分からない私は、高野君が何をしようとしているのか分からず、ただ、ことの行く末を見ていた。
「アズミ…」
私の唇に触れるか触れないかのところでいわゆるこれがキスなのだと気付いた時、高野君を突き飛ばしていた。
「イヤ‼︎」
「アズミの動揺するとこ初めて見た…。分かったよ。別れるから、その前に、キス、してくれよ。そしたら、諦めるから…」
「別れるためのキスなんて、間違ってると思う。そこに相手を思う気持ちは入ってない。」
「入ってなくても、良いんだよ。アズミとの思い出が欲しいから…」
高野君はそう言いながら私に詰め寄って来る。
後ずさる私の後ろには壁…。
とうとう挟まれてしまった。
「アズミ…」
涙を流しながら、高野君からのキスを受けようとした。
何故なら、高野君も同じように涙を流していたから…。
もう少しでキス…と言うところで、
「かっっっ…アズミ‼︎」
そう言ってすごい勢いで走って来たのは相沢君。