◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】

「あ、あった!」


窓際のカーテンに半分隠れるようにして、床に直に置かれている白い電話機を見つけ、小走りに駆けより手を伸ばした。

瞬間。


バチッ!


「ひゃっ!?」


大きな音と共にかなり強めの静電気が指先に走り、思わず声を上げて手を引っ込めた。


「美鈴っ!?」

「あ、今電話する!」


母の叫び声に大声で返事をして、おそるおそる電話に手を伸ばす。


つん。


右手の人差し指で、突いてみる。

が、今度は大丈夫。


私は急いで119番に電話をかけた。


< 15 / 60 >

この作品をシェア

pagetop