◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】
「あ、そう言えば真次は、美鈴さんと同じ高校に通ってるんだよ」
政志さんの言葉に、私は少し驚いた。
「え? 真次さんも明野高校なんですか!?」
――凄い偶然。
中学なら学区が一緒ってありそうだけど、高校が一緒と言うのは、かなり確率が低いんじゃないだろうか?
私は、はす向かいに座る真次くんの顔を覗き込んだ。
視線が一瞬かち合う。
でも、「ああ」と頷いて見せただけで、彼は興味がなさそうに視線を天井の方にスッと外してしまった。
それ以上話すそぶりはない。
無愛想だなぁ……。
同じ兄弟でも、偉い違いだ。
私のちょっと棘がある視線に気付いたのか、政志さんが苦笑した。