◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】
「何なのよ、一体?」
やっぱり、変だあの人。
あまりお近付きになるのは、よそう。
乙女心と何とやらよ。
真次くんへの評価をころころ変えた末、私は、そう心に決めた。
「さあ、学校の物だけでも整理しなくっちゃ!」
気持ちを切り替えて玄関のドアを閉めた時、私の耳に電話のコール音が届いた。
プルルル。
「お母さんかな?」
小走りに部屋に戻る。
床に所狭しと置かれた段ボール箱を避けながら、電話に向かう。
窓際に置かれた白木のサイドボードの上。
無造作に、受話器を掴んだ瞬間、
バシン!!
「きゃっ!?」
さっき真次くん達と一緒に聞いたのとは比べ物にならないほど大きな音に、私は思わず声を上げて飛び上がった。