◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】

ドキドキと鼓動が跳ね上がる。


「何? 家鳴りって、こんなに大きな音がするの?」


父の転勤で、アパートから一戸建てまで色々な家に住んだ経験があるけど、今までこんな音は聞いたことがない。


『もしもし、美鈴? もしもし?』


聞こえてくる母の声に、はっと我に返って受話器を耳に当てる。


「あ、もしもし、お母さん?」

『どうしたの? 何かあった?』


心配げな母の声に私は「ううん、何もないよ」と答えを返す。


『何だかね、今日は帰れそうにないのよ』

「ええっ? 何、お父さん悪いの?」



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