◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】
ぴちゃり。
「ひゃっ!?」
良い気持ちで爆睡していた私は、頬に冷たい水の感触を感じて、ぱっと飛び起きた。
「あ、え?」
周りをきょろきょろと見渡す。
一瞬、何処にいるのか分からずギョッとしたが、すぐに新居のお風呂だと思い出した。
どれくらい眠っていたのか、湯船のお湯は少し温かい水になっていた。
「ひゃ。眠っちゃったんだー」
ゾクゾクと背筋に悪寒が走った。
うわっ。風邪引いちゃう!
私は、湯船にお湯を入れるためにお湯の蛇口をひねった。
きゅっきゅっ!
でも、お湯が出てこない。
「あれ?」