◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】

「石崎君、私に『念仏を唱えろ』って教えてくれたでしょう? たぶん、そのお陰で助かったんだと思うから」

そう言うと、真次くんは少し照れたような笑顔を浮かべた。


クスクス。


不意に聞こえた楽しげな子供の笑い声に、二人が一緒に病室の空きベットの上に視線を走らせる。

思わず、顔を見合わせた。


「笑われちゃった」

「ああ、今のは俺にも聞こえた」


笑顔で言う私に、真次くんが苦笑で答える。




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