◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】
――このまま3階に行き着かなかったりして……。
『このまま出口に辿り着けない』
そんな妄想に駆られた。
狭い階段の踊り場。
1メートルほどの高さのコンクリートの腰壁の上に付けられた、小さな引き違い窓。
そこから見える、山あいの田舎町ののどかな風景だけが、そのアングルを変えていく。
それだけが、唯一の変化。
日常の目印。
その目印が無くなったとき、
そこはもう、別の世界――。
なんてね。
ホラー小説の読み過ぎだ、私。