みすみの花が開くとき
昼の月
近衛誠は道端に目をやった。


白い花が朝日に照らされていた。


僕、草より花の方が好きだな。

鮮やかで。





空を見上げた。





朝 8時代後半。

青白くそこに有るはずの月は、太陽に隠されていた。


口の中で舌打ち。


僕、太陽より月の方が好きだな。

ダイヤモンドよりクリスタルの方が好きっていうのと同じかな?

澄んでて、キレイ。





私立 明凪学園高校。


一面の白が目に痛かった。


今日から、ここが僕の母校か。





時計を見る。


…入学式には、まだ早いな。どうしてようか。

暇だ。

校内見学でもしようかな。


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