みすみの花が開くとき
「聡兄ぃは─

…柾みたいに強くて、がむしゃらで─

…英兎くんみたいに頭がよくて、いつも笑ってて─

…高杉先輩みたいに優しくて─

…近衛くんみたいに、…その、…かっこよくて、…あたしを守ってくれました─」





花月さんは、イヤミを言う人じゃないと思ってたけどな。





「…でも、聡兄ぃは太陽だったから─

眩しすぎたから─

…聡兄ぃは、…闇を作っちゃったんです─」





雪の声は、ほとんど涙声だった。

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