みすみの花が開くとき
それきり、雪は口を閉ざした。


あんなに妬ましい話でも、花月さんの声が聞けなくなったのは、さみしいな。





そう、妬ましい。

つまり、嫉妬。

それは、僕が感じるモヤモヤの正体かもしれない。

だから何?

何だろう?

さぁ?





空の色は既に青ではなかった。





「…すみません。こんな下らない話しちゃって…」

「聡兄ぃさんの事、好きなんだね」

「…はい。…尊敬してます」


よしっ。ラヴではない。

…不謹慎だな。

でも、安心したのも本当。

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