みすみの花が開くとき
「その話、なんで、僕に聞かせてくれたの?」

「…聞かせてくれた、…ですか」


ですよ。


「僕、花月さんの声聞いてると、幸せなんだ」


白い花が揺れる。


「…やっぱり、近衛くんって、変なコですね」

「花月さんの事、好きだからね」


雪は困ったように笑った。


「…変なコです」

「…で、なんで、僕に聞かせてくれたの?」





「…近衛くんは、…聡兄ぃに似てたから…」


あぁ。僕は、花月さんの敬愛なるお兄様じゃないよ?


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