みすみの花が開くとき
「あ、僕、高杉先輩、放って来ちゃった」

そう言えば、ミツカン部長も居なかったな。


「…あたし、顔も出してない…」

「…戻ろっか」

「…うん」


屋上を降りる。


「高杉先輩、怒ってるかな?」

「…多分、大丈夫だと思う。…高杉先輩、優しいから」


さっきも、そんな事言ってたな。

何か、有ったのかな?




あ、そうだ。





「ねぇ、花月さん」

「…なに?」

「美味しい紅茶を出す所を知ってるんだけど、行かない?」

雪の瞳は目に見えて輝いた。

「…あたし、紅茶好き」

「じゃ、決まりで」





あっさり誘えちゃった。

意外。





でも、友達感覚なんだろうなぁ。花月さんは。





まぁ、いいか?

花月さんと二人っきりだし。

< 108 / 307 >

この作品をシェア

pagetop