みすみの花が開くとき
一口。





よみがえる感覚。





「…美味しい…」


溜息。

それは、安らぎを基にしていた。

雪も、同じであるらしい。


「あたし…、温かい紅茶は、冬に飲むのが一番美味しいと思ってたけど…」

「いつでも美味しいはずでしょ?」


雪は目をふせた。


「うん…。でも…、今日のが一番…」

「花月さんって、変なコだね」

「…かもね」


雪は穏やかに笑った。




神よ。

今、初めて貴方に感謝します。

僕の望みを叶えてくれて、ありがとう。





神よ。

今、初めて貴方に祈ります。

どうか、この幸せが続きますように…。


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