みすみの花が開くとき
花月さんって、僕の事、男だと思ってないだろうな。絶対。

…いや、悲しい。多分、にしておこう。


カップを空ける。


あ、ここって、お代わり頼める?

それにしても、タメの男相手に『よくできました』はないよなぁ。

軽く傷付くな、あれは。

花月さんは柾達の《お姉ちゃん》って言ってたけど、僕にまでそのノリでこられるって事は、やっぱり、男だと思われてないのかな?

僕のアピール不足か?

…そういえば、今のところ、花月さんとの接点がクラスと部活くらいしか…。

いや、十分すぎるか。アドレスも知ってるし。

…でも、ダメだな、僕は。欲張りで。





もっと、花月さんに近づきたい─


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