みすみの花が開くとき
「僕が、…城戸さんを?」


白い花が揺れる。


「うん…。英兎くんが」


やっぱり。

あのショタウサギ、いい加減に…。


「…違うの?」

「うん」


雪はうつむいた。


「…英兎くんは…、あたしに嘘…ついたんだ…」


暗い、沈んだ声。


…モヤモヤ…。


「…信じてるんだ?」

「…お姉ちゃんだもん」


《お姉ちゃん》だから、信じる…?


「…花月さんは花月さんじゃん」

「…それに…、英兎くんは、…優しい、いいコだよ…?」

「どこが?」


想像がつかない。


雪は頬を膨らませた。


「…あたしは、あのコの優しいトコ…知ってるよ…?」


十年も友達やってたら、一つ二つは有るだろうけどさ。


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