みすみの花が開くとき
屋上。





見回す。





無人。





居ない?





あ。昨日の所?


梯子を昇る。

望んだ人影が有った。

雪は仰向けに寝転がって居た。





「花月さん。おはよ」


雪は身を強ばらせた。


「…おはよ」


雪は仰向けのままだった。


「近衛くん。…降りた方がいいよ」

「なんで?」

「城戸さんが来るから」

「それが?」


雪は溜息をついた。


「…近衛くんって、本当に…、乙女心が解らないんだね」


…なんの事だろう?

解らないな。


< 133 / 307 >

この作品をシェア

pagetop