みすみの花が開くとき
「アホ?」

「朝、城戸さんが屋上に来て…、近衛くんと話したいからって…、あたしをここに押し上げたの」


そんな事してたのか、城戸さん。

居なかったの、僕のせいじゃなかったんだ。


「…近衛くんに好きな人が居るって知ってたら、城戸さんに教えたのに…」

「ごめん。聞かれなかったから」

「…城戸さんをどう思うかって、聞いたよ」

「感想を聞かれてるんだと思って」


雪はそっぽを向いた。


「いいから、降りなよ。…城戸さんが来ちゃうよ」

「ここに居ちゃだめ?」


「城戸さんが可哀想でしょ…」

「…うん」


屋上に降りた。


さあ、どうしたもんかな?


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