みすみの花が開くとき
「どこまでって?」


都は身を強張らせた。


「他にも、何か有るの?」


都は溜息をついた。


「知ってんでしょ、近衛くん?」

「なんで、そう思うの?」

「追い出したのだけ聞いて、理由は聞かないの?」


それもそうか。


「…近衛くんって、花月さんと付き合ってるの?」


だったら、いいんだけどなぁ。


「付き合ってないよ」

「なーんだ。英兎くんのウソつき」


また、英兎か。

…なんでだ?


「じゃあさ、近衛くん。私と、付き合って?」


やっときたな、本題が。

どうしよう。断り方、考えてないな。


「私が、こう言うのは、知ってたんでしょ?」

「うん」


どきどきしないのは、知ってたから?





それとも、貴方が貴方だから…?


< 138 / 307 >

この作品をシェア

pagetop