みすみの花が開くとき
駆けつつ、紙を開く。

それには、住所らしいものと、地図が書いて有った。





引き返す。





足を止める。


目の前には、目的地。





そこは《Luchs-Nebel》─





─《Lievre》の斜向かいの店─





息切れ。


…紙を開いてから走ればよかった…。

英兎が『ダッシュでね?』なんて言うから、遠い場所かと…。


英兎は居かった。


本当に、なんなんだよ、英兎。

いや、今はどうでもいい。


店の扉を開けた。


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