みすみの花が開くとき
「黒幕…?」





…僕が雪と出会えたのも─

…雪のトラウマをえぐるような事が起きたのも─

…雪が、やたらに城戸さんの事を気にしてたのも─

…雪に誤解されたのも─

…僕が雪を見付けられたのも─





いや、最後のは判り易いけど…。


「全部、…英兎が…」

「そーだよ」





「…雪は、たくさん泣いた…」


…たくさん、悩んだと思う…。





…慣れない男子─

…蘇るトラウマ─

…恋敵─

…僕の裏切り─

…僕を信じてくれた決心─





…雪は、たくさん泣いた…。





「…雪は、たくさん泣いたんだぞ…」

「知ってるよぅ」


英兎はくすくすと笑っていた。
< 178 / 307 >

この作品をシェア

pagetop