みすみの花が開くとき
屋上。





春風。

人の気配。

人影。





花月さん!


一気に高鳴る鼓動。





『花月さん、おはよ』


口だけが動く。


あぁ、クソ、ヘタレめ。





花月さんと話したくないのか?

声が聞きたくないのか?





腹に力を込める。

深呼吸。





「…花月さん、おはよ」


雪は身を強張らせ、そろり、と振り返った。
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